グランドゴルフのルール!かみ砕いた解説で簡単にわかりやすく(2)
前回グラウンドゴルフのルール第1条から第3条(エチケット)までを紹介、今回は社団公益法人日本グラウンドゴルフ協会発行のルールブック2021第4条から第8条までについてできるだけわかりやすく解説しており、ルールについてより深く理解できます。
グラウンドゴルフルールブック2021
グランドゴルフのルールブックでは、第4条から第16条までが「ゲームに関するルール」として制定されています。
第4条・・・ゲーム
グランドゴルフのゲームは一般的には1組4~6人程度の人数で、公認のボールをスタートマットに乗せ、第一打をクラブで打つところから始まります。
第一打から数えて何打でトマリ(ボールがホールポスト内に納まること)に達するかを競うゲームで、トマリまでの打数を正確に数えてスコアカードに記入しておきます。
打つ順番は組み合わせ時に設定された同伴プレーヤーの順番によって決まりますが、打順の決め方には2種類あります。
打順の種類
①固定方式・・・決められたメンバーの順番を守って、どのホールも同じ順番で打っていく方式です。
例)1番ホールの最初の打者は打順1番のプレーヤーから順に打つ、2番以降のホールも最初の打者は打順1番のプレーヤーから打っていく方式。
②ローティション方式・・・決められたメンバー順にホール毎で、最初の打者を順送りにしていく方式です。
例)1番ホールの最初の打者は打順1番のメンバーから順に打つ、2番のホールは打順2番のメンバーから打つ、このように3番以降のホールも最初に打つ打者は打順3番のメンバーと順送りに打っていく方式。
打順を間違えてしまったときの措置
打つ順番を間違えて打ってしまう事もありますが、その場合には次の打から順番を元に戻せば問題ありません。
他のメンバーが置いたマーカーの位置から打ってしまった場合も同様になります。
打順を間違えた場合のペナルティはありません。
例)第一打で間違えてしまったときは、第2打からの打順を元に戻せばいいことになります。
順番を変えて優先的に打てる権利
ホールポストに概ねクラブヘッド長以内(約15㎝程度)のところに近づいたときには、「お先に」と同伴プレーヤーに声をかけて、順番を待たずに打つことができます。
この場合にはトマリ迄打つ必要があります。
「お先に」の声掛けはエチケットとして守りましょう。
トマリの判定
ボールがホールポストのリング上またはリングについている場合の判定は、真上からボールを見て、ホールポストのリングの真上、又はボールの半分以上がリングの内側にある場合「トマリ」となります。
第5条・・・用具
グランドゴルフでプレーヤーが使用する用具は※定められた物を使用しなければなりません。
※:日本協会用具規則で制定
使用する用具:クラブ、ボール、ホールポスト、スタートマット
用具に改造を与えられる範囲
①クラブ・・・
・シャフトの長さを既定の範囲内で短くすることは可能
・グリップに滑り止めテープなどをまくことは可能、それ以外の改造は禁止
・その他の改造は認められていません
②クラブやボールへの識別表示として目印やイニシャルなどをつける場合には、機能を変えるような改造ではなく、自分のものと識別できる程度とする。
③クラブヘッド打面の保護等の為に貼り付けられている保護シート等ははがして使用する事。
また後から貼り付けることも禁止されています・・・理由は材質や厚み等の変化でクラブの機能を変えることになるため。
用具の認定品の確認方法
グランドゴルフで使用する用具が公益社団法人日本グランドゴルフ協会の認定品であることを確認するには以下の方法があります。
①クラブ、スタートマット、ホールポストそれぞれに「公益社団法人日本グランドゴルフ協会認定品」の表示があり、ボールには「JGGA」と表示されています。
ゲーム途中でのボールやクラブの変更可否
1ラウンド中(8ホール)の途中で、クラブやボールを変えることは認められていません。
但し1ラウンドが終わって、次のラウンドになる場合即ちラウンド単位では変えて使うことができます。
※万が一1ラウンドの途中でクラブが折れたり、ボールが割れたりといったアクシデントが発生した場合には、すぐに変更できます。
この場合同伴プレーヤー又は主催者に確認を取って変えましょう。
第6条・・・ゲーム中の練習
打球練習・・・ゲーム中にボールを打っての練習はいかなる場合も認められていません。違反は1打が付加されます。
スイングのみ・・・周辺の安全を確認した上で可能です。またプレーヤーがプレーを始めたらやめて静かにすること。
第7条・・・援助
人的・物的援助の禁止・・・違反は1打が付加されます。
プレーヤーはプレー中のいかなる場面でも援助を求めたり、受ける足りすることは出来ない。
例)雨が降っているので打つときに傘をさしてもらう。
木の枝が邪魔になるのでよけてもらう。
ボールのライン上にマーカーなどで目印を置く。
足元が不安定なので支えてもらう等・・・・
援助とならないケース
①障害を持つプレーヤーからマーク等を頼まれマークをしてあげる等は問題なし。
②ゲーム途中であっても、ルールの質問は反則にはなりません。
③強い風が吹く中のプレー中にホールポストが倒れないように同伴プレーヤーが支えることは援助にはなりません。
但し、プレーヤー自身が支えながら打つことは出来ないとされています。
その他
①プレー中の会話はコミュニケーションを取るなどグランドゴルフの楽しみ方の一つと推奨されていますが、アドバイスなどにならない様に注意することが必要です。
②プレー開始前には同伴プレーヤー同士で確認することが必要です。
第8条・・・ボールはあるがままの状態でプレー
プレー中のボールはあるがままの状態で・・・反則は1打が付加されます。
①草むらに入ってしまった、茂みに入ってしまった等の場合、草を抜いたり、倒したり、或いは踏み固めたりと、条件の改善は認められていません。
②自然にあるライン上の凸凹なども治すことは認められておりません。
いかなる障害物も取り除けない
①プレー途中ではいかなる障害物(例えば、小石、小枝、虫の死骸、等)を取り除くことは認められていません。
②コース内に設置されているすべての障害物が対象となるとのことで、他のホールポストなども同一の扱いになります。
③ルールブック上ではコース途中にこれらの障害物がある場合にはプレーが始まる前に取り除いておくように推奨されています。
又風などで設置物が動いてしまった場合には、元に戻してプレーすることとされています。
となりのホールポストに入ってしまった場合の措置
①となりのホールポストも設置された障害物との判断で、打てる場合はそのまま打つことが可能であり、打てない場合には自身のホールポストに近づかない位置にボールを動かしてボールを打ちます。
ボールを動かせる範囲はクラブ1本分の範囲内です。・・・この場合は1打が付加されます。
クラブやボールが当たってホールポストが動いたときの措置
①プレー始まる前ならば、元の位置に戻してプレーを始めます。
②プレー途中で動いてしまった場合には、その場で元の位置に戻してプレーを続行します。
③プレー中に正しい位置からずれていることに気付かず、プレーが終わった後で気が付いた場合はプレー終了後に元の位置に戻しておく
と規定されています。
出典:公益社団法人日本グランドゴルフ協会発行 グランドゴルフルールブック2021 2021/09/16閲覧
あとがき
グランドゴルフはいつでも、どこでも、だれでも簡単に楽しめるスポーツというコンセプトで普及が進んでおり、ルール等も厳格なルールに縛られることなく必要最低限のルールが規定されています。
これはコンセプト通りに楽しんで普及させるために必要なことと理解していますが、もう一つのコンセプトである「審判のいない競技」、「自分自身が審査員」ということを正しく実践するためには、グランドゴルフを楽しむすべての人が、規定された16条のルールの正しい解釈を理解する必要があるでしょう。
ルールを正しく理解し、楽しいグランドゴルフ生活を満喫しましょう。
グランドゴルフのルール!かみ砕いた解説で簡単にわかりやすく(3)
最後まで読んで頂きありがとうございます。
ディスカッション
コメント一覧
2021版ルールブックに則し、丁寧で解りやすい解説に感謝申し上げます。
さて、拝読して、解らない箇所がありましたので、教えて下さい。
第4条中の「お先に」の項です。
・この説明の中に、トマリ迄打つ必要があります。とありますが、「お先に」と声掛けした後、下り傾斜がきつくクラブヘッドの長さである16cm以上オバーする場合があります。
このような場合、私の所属している団体では、再度自分の打順まで待ってからプレーしております。その理由ですが、声掛けして連打が出来る範囲(クラブヘッドの長さ)を越えている為です。
つきましては、「トマリ迄打つ必要」についての考え方等について教えていただければ幸いです。
その他
・説明文中の、複数個所で
「一打罰」・・・。「一打付加」・・・。との
二つの表現がありますが、「一打罰」ではなくルールと同じ「一打付加」に統一すべきと思いました。
質問しておいて、恐縮です。あしからず。
佐藤輝雄様
お問い合わせ有り難うございます。
ご質問のございました「お先に」についての認識を回答させて頂きます。
当地のグラウンドゴルフにおきましては、当方所属の団体はじめ他の団体においても「お先に」の認識は、「お先にトマリまで完了させて頂きます」との理解で、トマリまで完了させております。(例えば極端ですが1m行ってしまった場合でも)
念のために公益社団法人日本グラウンドゴルフ協会傘下の栃木県グラウンドゴルフ協会にも確認をしましたところ、協会の認識もお先には最後のトマリまで完了させることと説明いただきました。
ルールブック上は明記されていないので、ローカルルールの是非についても問い合わせましたが、出来るだけ合わせてほしい旨の回答を頂戴しました。
ご理解の程よろしくお願いいたします。
併せましてご指摘をいただきました「一打罰」「一打付加」が混在している点につきましては「一打が付加されます」に統一させて頂きました。
ご指摘まことにい有り難うございました。
今後もレベルアップを図るべく取り組んでまいります。
気になる点ございましたらご教示頂けましたら幸甚に存じます。
迅速で丁寧なご回答に深く感謝申し上げます。
小生も、「お先に」との声掛けは「お先にトマリまで連打させていただきます」との意味合いと認識しております。
しかしながら、当地の先輩は、ボールがホールポスト近く(16cm以内)に止まったので、「お先に」と声掛けして「連打させていただきます」との意味合いである。しかし、その後16cm以上オーバーした場合は連打することは出来ない。との持論を持っておられます。そのような場合は、打順を間違わないかなどの確認等に難儀しております。
そのようなことがありましたので、お尋ねしたしだいでした。
大変参考になりました。
また、「一打付加」については、統一されたとのこと、大変恐縮しております。
今後とも、よろしくお願いいたします。
佐藤輝雄様
背景説明ありがとうございます。
異なる理解をされている方の理解はなかなか難しいものかと存じますが、公式の大会などの場合に混乱する事にもなろうかと思います。
協会の見解に合わせる努力を継続されることを念じております。
こちらこそ今後ともよろしくお願いいたします。
先日このよう事例がありました。
スタートの合図前に「打ち出した」場合です。
≪当日の状況等≫
・参加者132名の大会でした。
・競技規則は、日本協会ルールを適用としておりました。
・スタートは、ホイッスルの合図で、「一斉」としておりました。
・当日のコース内での練習等は禁じておりました。
≪対応案≫
①口頭で注意を促し「打ち直し」とする。
②口頭で注意を促し「そのまま」とする。
③口頭で注意を促し「打ち直し」とし6条の打球練習違反と見なし「1打付加」する。
④口頭で注意を促し「そのまま」とし 6条の打球練習違反と見なし「1打付加」する。
※注意を促すと言っても「まだホイッスル鳴っていませんよ」的な言葉掛けです。
≪当日の対応≫
当地域の対応等を参考に①の口頭で注意を促し「打ち直し」としました。
しなしながら、参加者から「打ち直し」や「一打付加しない」根拠等を求められております。
このようなことから、お尋ねする次第です。
お忙しいとは思いますが、よろしくご教示方願います。
佐藤輝雄様
「グラウンドゴルフ大会前の打ち出し」に関するコメントと理解いたしました。
公益法人日本グラウンドゴルフ協会ルールを適用した大会と説明いただきましたので、最新版の2021ルールブックをすべて再チェックいたしました。
ルールブック上ではゲーム中のエチケット、ルールには定めがあり、必要に応じて1打付加等の処置が定められておりますが、ゲーム開始前等については日本協会のルールブックの中では規定されておりません。
但し解説の中に①他人に迷惑を掛けたり不快感を与えない②あるがままにプレーする③自分に有利になるような判定はしない④自分で判定できない時は同伴プレーヤーの意見を聞き、同意を求めて自分で判定する・・ことを心掛けるよう説明されています。
基本的に日本協会のルールブックブックでは16条を規定しているのみですので、それ以外の部分で疑義があるような項目については都道府県協会単位であったり、或いは各団体単位等でローカルルールとして規定されている場合もあるようです。
いちどお住まいの都道府県協会に確認・ご相談されることをお勧めします。
もし規定されていないようであれば参加されている団体として意見を纏め、ローカルルールとして規定されてはいかがでしょうか。
この度も、迅速で解りやすい説明に感謝申し上げます。
その時の対応に異議を唱えている方の考え方は、ゲームはコースに足を踏み入れた瞬間から始まっている。
今回の事例の場合も、すでにゲームは始まっていると判断すべきで、スタート合図前に打ち出しした場合は、
第6条ゲーム中の「打球練習の反則」であるので、「打ち直しせずに」「一打付加」すべきとの内容です。
実は、その打ち出したボールが「ホールインワン」でしたので、なおさら難しくしております。
間もなく、地区の役員会が有りますので、頂いたご意見を参考にして、解決したいと思います。
本当に貴重なご意見に感謝申し上げます。
佐藤輝雄様
状況の説明ありがとうございます。
今回のポイントは「ゲーム」の解釈にあると理解いたしました。
あくまでもルールブック上の用語解説では、ゲームとは「1ラウンドにおけるゲーム(プレー)」と説明されており、時間別に複数のラウンドがある場合には1G,2G等の数字で表す・・・と解説されているわけで、即ちゲームとはラウンドの開始から終了までと理解できます。
この点を踏まえたうえでローカルルールでの規定等で解釈を明確にされるのがよろしいのではないでしょうか。
又先にも書きましたが、都道府県協会の見解等も確認されることをお勧めします。
お礼のコメントが遅くなりました。
再びご丁寧な説明感謝いたします。
ルールブック中の「ゲームの用語解説」は見ておりましたが、時間的意味合いを含んでいるとは、解りませんでした。
早速、所属の「県協会」に問い合わせて見解等を伺ってみます。
有難うございました。
佐藤輝雄様
当方のコメントはルールブックから理解しうる個人的見解を述べさせていただいておりまして、大会におけるスタートの合図というのは大会のラウンドを始める合図と理解しておりまして、一般的に大会では4ゲームを1ラウンドとしているかと思います。ラウンドが始まらなければ、ゲームもスタートしないので、やはり合図の前であれば、ルールブックの適用は難しいのかと思いますが、ルールブック上で判断について詳しく書かれているわけでもないので、人によって解釈の相違が起こることもあり得るかもしれません。
そういう背景からも県協会等のオフィシャルの見解を確認され、見解を踏まえて落としどころを探られるのがベターと思慮いたします。