【回想録】アマゾンジャングル走破記(5)

ヴェネズエラの魅力と驚き

前回までブラジルアマゾンのジャングルを通過し、ジャングルの中での様々な驚きや失敗などもあったが、無事に国境を越えてヴェネズエラ入りを果たし、ヴェネズエラとブラジルの違いに気づかされ始めたところでした。

この先起こる体験も初めてのことばかりで、驚きや感動あり、ちょっと残念な体験もありと益々面白くなっていくでしょう。

日本の環境・文化との違いも考えながら読んで頂けるとまた違った感覚で楽しめるでしょう。

 

ヴェネズエラ2つ目の町サン・イシドロの驚き

町を眺めながら車を走られていると女子高生の風体の女の子達がいっぱいいる。
どうしてかなと思って時計を覗いてみるともう昼過ぎていたのである、どうも学校が半ドンらしい。

どうりで腹が減ってきたと思いながら、看板を探していたら、”HIERO”(?)という看板が目に入った。
何のヒーローの店かと思ったら、ヒーローではなかった。
どうも氷やさんらしい、それにしてもここがスペイン語圏である事、そして何より面白いと感じたのが氷の事を”ヒエロー”と言う事が今でも忘れず、記憶に残っている事に自分でも嬉しさを感じている次第である。

やっと一軒見つけたレストラン風のお店、やっているのかいないのか得体の知れないようなレストランであったが、とりあえず覗いてみると営業中のようなので入ってみる事にした。

延々と走り続け2日目にして既に約1200kmくらいは走ってしまったような気がするが、よく考えるとここまで走ってくるまでに、食事らしい食事をしたのが今朝の朝食のみ、何と情けない事か、そんなわけで前回の最後に見つけた得体のしれないようなレストランに飛び込んでみた。

外から見るとレストランの様な感じがしないが看板も其れらしいのが有るし、入ってみることにして入り口を捜すがなかなか見つからない。普通ならレストランの入り口なんて正面にドカーンとありそうなものであるが、ここの入り口は端のほうにはずかしげについていたのだ。

中を覗いてみてまたびっくり、昼の未だ2時頃だというのに中は薄暗くてお客さんがいないのである。よく見ると奥のほうの一つのテーブルに地元の夫婦連れのような二人が食事中だった。

そうは言いながらも店はやっていたし、やっぱりレストランだったので、気をよくして店のなかにはいり、中ほどのテーブルについた。テーブルは割りと広い部屋にゆったりとおかれ、せせこましさをかんじさせない。

 

ヴェネズエラのビールは”白熊マークのポラール”

まもなくガルソン(ウエィター)が注文を取りに来た。

そこですかさず”セルべージャー”と口から出た。そう昨日から飲んでいなかったのである。
アルコールを飲まない相棒はとりあえずミネラルウオーターを注文したのだが、そういえばガルソンはセルべージャーとはいわなかった、”セルべッサ”といったのである。そうここはスペイン語圏であったのだ!
(ブラジルではポルトガル語でセルベージャー、ヴェネズエラはスペイン語でセルベッサ、ビールの呼び方である)

そしてまもなく出てきたセルベッサに思わず声が出た、出てきたのは”白くまさんの缶ビール”此れはマナウスのスーパーでもよく見る”ポラール”だが、実は此れには”苦い思いで”があった。
いつもアンタークチカ(ブラジルのポピュラービール)を飲んでいたが、缶の小さなこのポラールがちょうどいいサイズとブラジルのスーパーで購入して、飲んだ時の印象が思わず”まずい”となったのである。

 

それにしても2日目にしてやっと飲めるビールだというのに、目の前におかれたのはそんな思い出深いポラール、一瞬口を出たのが”他のビールありませんか?”の質問だった。

そしてもっとがっくりきたのは、”ありません”の一言だった。

聴いてみればヴェネズエラにはこれ以外の名目のビールはおいていないとか,何という国だと腹立たしく思いながらも、根が嫌いでない性分が出てきて、ビールと名がつけばなんでもいいと結局は流し込んでしまったのであるが。

ところでメインの注文を未だしていない。いろいろ聴いてみるとやきめし風のものがあるという事でうまそうな気がしたし、其れなりに腹も減っていたので其れを注文する事にした。

 

美味しい”バレジャ”

確か名前は”バレジャ”といったような気がするが、海鮮物が入ってとてもうまいとガルソンは薦めててくれたのであるが、目の前に来るまでは落ち着かない。
まずいはずのセルべッサでもそこそこ飲めてしまうから不思議である。

待つ事暫く、はたして皿に盛られたバレジャが出てきた。実際には焼き飯とは作り方も感触もちがっていたが、食べてみると此れがうまい、海鮮物もふんだんに使われていて量も結構ありおすすめである。

本音を言えばもっと早くに食事をしたかったのだが、何故かここヴェネズエラもブラジルのジャングルの中を走っているのと同じようなもので、町と町の間はただの道路と広大な畑が続くのみ、途中にレストランやドライブインのようなものがまったくないのである。

従って一度町を通り過ぎてしまうと次の町に行くまで食事のできるような所がない、通り過ぎて気がついた時に戻ればもう少し早く食事にありつけたのかも知らないが、その時はただひたすらに前に行く事だけしか考えられなかったのだ。

それにしても此れが日本ならうるさいくらいにやれファミリーレストランだのコンビニストアーだのとなんでも手に入る条件が揃っているから、こんなひもじい思いをするような事もなく、こんな環境におかれた事で日本のありがたみが実感できた日でもあった。

そういえば自動販売機もまったくみあたらないなーーー!!

さてそうこうしながらも次の目的地へと再び車を走らせた。次の目的地は今夜の宿泊地”プエルトオルデス”まだここから400kmも先である。

ガソリンスタンドも途中にはほとんど見当たらない、町と町の間の畑や草原を見ながらただひたすら走る。道はそれほど広くはないが、割りとまっすぐで整備されているから走りやすい道である。

 

骨付き豚肉の炭火焼きが美味しかった~

この辺はそれほど物語が起こりそうな所がなく、平凡な所である。

そろそろ太陽が西に傾き、長い影を落とし始めているが、プエルトオルデスらしき景色は一向に見えてこない。
走行距離を確認してみるとまだ残りが150kmくらいある。其れはまだ見えるはずがないのである。

だんだん暗くなる景色の中をひたすら走る、走る、交通量は其れほど多くはないが、大きなトレーラーが結構多いのには驚かされた。

ちょっと遅い昼飯だったが、やはり日が落ちてくると腹も減ってくる。そんなわけでまた食事のできる所を探す事にしたが、何しろ初めての所、しかも周りは暗い闇の中、とりあえずこのまま本線を走りながら、出会った所で食べようという事になった。

まもなくちょっとした町があり、道路脇に大きなトレーラーが何台か止まっている光景に出くわした。

よく見ると道路脇の店(この辺でもよく見られるようなランショ(屋台風のお店)のようなもの)の前で太ったおばさんが、ドラム缶を縦割りにしたコンロ(?)の上で何か豪快に焼いている。
車を止めてみてみると炭火で豚肉の骨付き肉を豪快に焼いていたのである。
それにしても一つの切り身のなんと大きな事か!

おばちゃん曰く”うまいよ”と言う。其の言葉に釣られて一枚づつやいてもらう事にした。
この道中で豚肉の炭火焼きなどなかなか食べられる環境がなかったが、ここにきてあの大きな骨付き豚肉を炭火で焼いて頬張れると言うのは道中一の贅沢となった。

ここでもセルベッサは缶入りのポラールのみ、でもやっぱり飲んでしまう。
結局今日の夕食はランショの店前で食べた炭火焼の骨付き豚肉だけであった。

 

工業都市プエルトオルダスの灯が見えた

この町を過ぎて暫くの間小高い丘陵地が続いた、闇の中をどれくらい走ったか見当がつかないが、正面にきれいに光り輝く街並みが出現し、迫ってきた。

どうやら目指すプエルトオルダスの町についたようである、しかし明かりが見え始めてどんどん広がっていくがなかなか街並みの中に入ってこない。

更に光が強くなってきた様な気がしてよくみると大きな川に街並みが映し出されていた。
この川があのオリノコ川なのである。
このプエルトオルダスはオリノコ川の途中につくられたヴェネズエラ有数の都市で、国際空港や港湾をもち産業も発達していると聞く。

やがて車は市街地の中に入ってきた。夜ではあるが意外ときれいな街と言う印象をうける。

道路と街並みはきれいに区画され、街路樹が美しい、この美しさを浮かび上がらせているのは街路灯の明かりである。
美しくならべられた街路灯もそれ自体がまた演出をしているようである。

 

街の中に入ってきたのはいいが、目的のホテルがまたまた見つからない。
本線から外れグルグルと廻る羽目になったが、気がついてみたら元の処に戻っていた。

仕方なくレストラン風の店の前にいたガルソン風のおじさんにたずねてみると、指を使い絵を描いて教えてくれた。

そのとおりに行って見たがどうも見当たらない、何気なく路地をひょっと曲がるとたまたまホテルの前だった。

何の事はない、並んだビルに隠れ、玄関は走っていた道路よりもはるか下のほうにあったために道路を走っていた時には気がつかなかったのが、路地を曲がったとたん急勾配の下り坂を下りる事になり自動的に玄関前に着いた次第である。

あまり立派なホテルとは言い難いがそこそこのホテルであった。

かくして2日目の夜を迎えた。今日はまだ夜中前ゆっくりと眠れそうである。

寝る前に喉を潤してからと部屋の冷蔵庫を探したが、中にはミネラルウオーターのペップボトルが数本並んでいるだけ、そうセルベッサがないのである。これはまずいと思いつつ、ロビーに売店があった事を思い出し、やむなく降りていったがここでもないと言われた。

レストランは何故か既に閉店になっていて、”どうして”と言いながら仕方なく部屋に戻り水を流し込んで眠りに就いた。

こんな事なら途中で買い込んでおけばよかったと後悔しながらもいつのまにか眠り込んでしまったようで気がついた時には朝だった。

 

あとがき

ブラジルからヴェネズエラに入国し、長~い道のりを走り続けた2日目であったが、いろいろなことがありつつもヴェネズエラ有数の工業都市プエルトオルダスに、やっと無事にたどり着くことができた。

今夜こそ美味しいものを食べ、気持ちよく寝付けると思いながらホテルに着いたが、飲みたいセルベッサを探し求めても結局手に入れられず、半ば期待を裏切られた格好で2日目を終えることになった。

明日は目的地のマルガリータ島に上陸の予定だが、またいろいろとハプニングが待っているのだろう。

 

 

 

最後まで読んで頂きありがとうございます。

アマゾンジャングル走破記(6)はこちら

Posted by taka-chan68